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11月24-28日開催「ミャンマーにおける有機肥料を使った職業訓練事業」報告

2017年11月30日

 国際奉仕委員会

       委 員 長 成川雅史  副委員長 松村秀一  委  員 酒井 隆正 中元耕一郎

 

1.ミャンマー農業の現状

「アジア最後のフロンティア(未開拓地)」とも呼ばれるミャンマー連邦共和国は、インド・バングラディシュ・中国・タイ・ラオスと国境を接し、国民の約半数が農村に居住する。その貧困率は約30%と言われ、自分の土地を持たない農民が全体の50%以上を占める。彼らの多くは劣悪な生活をおくっており、都市部へと容易に流入する傾向も起きている。かつては、ベトナム、タイと並ぶ世界最大のコメ輸出国であったミャンマーだが、農業技術の改善が思うように進んでおらず、牛や人力のみの伝統的な農法に依存しているのが実態である。加えて化学肥料や農薬はすべて隣国(タイ、中国)からの輸入品であり、価格も高く、商品説明がすべて他言語であることから、適正使用が妨げられている。また安全基準値を超えた安価な化学肥料や農薬も密かに流通しているとも言われている。このため、土壌汚染や健康被害が深刻な地域も出現してきている。

2.当奉仕事業の目的と内容

現在、ミャンマーの急速な民主化と経済改革が進む中、農村部の若い人々は効率よく賃金が得られる都市部へ流入し、農村部の労働者数減少が問題となっている。人手不足のため、またミャンマーの農民は安全で安心な有機肥料の作成や使用方法の知識に乏しいため、やむなく有害な化学肥料や農薬を使用し、農作物の生産性を維持しようとしている。その結果、農地や農産物だけではなく農民自身にも弊害が現れてきているのが現状である。そこで、有田ロータリークラブはミャンマーのバゴー管区、KYUN THONE PIN村に有機肥料を用いた農業を推進していくため、現地の専門講師(4名)を招いて5日間に渡り、農民を対象(100~150人)としたセミナーを開催した。セミナーでは有機肥料の作成方法とその使用方法についてわかりやすい指導を行うとともに、消耗品であるスコップ等の農機具も贈呈した。そして、事業実施後も有機肥料を使って作った農作物の生育画像をメールにて定期的に確認する予定である。

また、当会のこの事業はミャンマーの国営テレビ放送や現地の新聞社にも記事として取り上げられ、国際ロータリーおよびロータリー財団の認知度向上にも寄与し、そしてわが国とミャンマーとの国際親善、国際交流をさらに深めることにも成功したと考える。

3.セミナーの内容(当会メンバーは第一日目だけに参加した)

  第一日目(11/24):木の栄養について/有機籾殻酢液の作り方

  第二日目(11/25):施肥の時期について

  第三日目(11/26):薬品散布について

  第四日目(11/27):カビなどの病気の予防について/農地の栄養について

  第五日目(11/28):EM肥料(Effective Micro Organizer)の使用法

4.セミナー参加者

  現地農民(100~150名)

  現地専門講師(4名)

  バゴー管区の政府関係者(2名)

  有田RCメンバー(5名)

  協力団体(MJT)メンバー

5.当会メンバーのミャンマー滞在日

  11月22日(水)ミャンマー到着

  11月23日(木)ヤンゴンRC例会参加

  11月24日(金)バゴー市へ移動、セミナー初日に参加

  11月25日(土)ヤンゴン国際空港から帰国へ

  11月26日(日)帰国

 

 

参加者 橋爪誠治 感想

「感動」を体験するから「感動」を実感できる。実感できたからこそ、人に伝えたくなる。奉仕事業の好循環を肌身で感じることが出来ました。

有田ロータリークラブの歴史で行われてきた国際奉仕活動について、国際奉仕活動の苦労話、充実感、達成感等々、色々なお話をよく先輩ロータリアンより聞かせてもらい頭の中で理解していたつもりでした。しかし自分で体験するのと、話を聞いているだけでは大違いでした。

今回の感動体験は、MJTが母国ミャンマーのために地域のニーズを汲んだ事業を立案し、農業従事者の未来を、強いてはミャンマーの食の安全を確保できように一石を投じ、農機具販売の促進を考える高貴な職業奉仕理念と、有田ロータリークラブの国際奉仕理念が見事に合致した結果だと確信しております。独りよがりの奉仕ではなく、ニーズにそった奉仕を行えたような気がします。関係者一人ひとりの真剣な眼差しと、心から湧き出る笑顔が忘れられません。

このような貴重な体験をさせてもらえた、成川会長をはじめ、国際奉仕について議論し考え続ける有田ロータリークラブを誇りに思いました。

本当にありがとうございました。